ウエハー製造工程(半導体製造工程①)
2021年09月12日
いつかはやろうと思っていた半導体製造工程と各企業のまとめです
物凄く時間がかかると考えているので少しづつ実施して行きます。
●ウエハー製造

①素材
(ウエハーに使われている原料を見て見ます)
・シリコンウエハー (ケイ素)Si
現在最も使われているウエハー素材
市場規模 2020年:119.6億ドル、2021年は126.8億ドル、2022年を139.0億ドル
4063 信越化学工業 (世界シェア首位 2020年:31.4%)
3436 SUMCO (世界シェア2位 2020年:24.4%)
GlobalWafers (世界シェア3位 2020年:17.8%)
SK Siltron (世界シェア4位 2020年:13.5%)
Siltronic (世界シェア5位 2020年:9.8%)
※GlobalWafersが独Siltroicの買収を発表、合計だと世界2位
・シリコンカーバイドウエハー(ケイ素1、炭素1)SiC
近年結晶成長の技術が高まり、Siなどの従来の半導体と比較して効率よく電力を交換でき、
さらに発生する熱量も少ないため、シリコンに代わるパワー半導体材料として急速に需要が高まっています。
200℃以上の高温でも動作可能であり、更には数倍の高速スイッチング動作が可能、高価。
市場規模:2018年パワー半導体用SiCウエハは150億円、2030年のSiCパワーデバイスの市場規模が2019年比で4.6倍予想
ウエハー市場で2024年には4億3000万$、2027年には6億988万$予想。
・4004 昭和電工 SiCウェハー世界最大手
SiCrystal(ローム子会社、欧州1位)
・GaAs(ヒ化ガリウム)ウェハー
シリコンに比べ高価で加工が難しいデメリットがありますが、高速動作機能を持ち、また消費電力も約3分の1と少ないため小型化が容易という特徴があります、市場は10%程度成長しているが規模は大きくは無い。
ウエハー市場で2019年2億ドル、2020年に2億6790万ドル、2025年に3.5億ドル規模、2027年は4億9922万ドル予想
5802住友電工、独Freiberger Compound Materials、米AXT
・GaN(窒化ガリウム)ウェハー
シリコンやサファイア基板上にエピタキシャル成長を行うことによって作られます。
中耐圧、高周波に適した特性のため携帯電話の通信基地局や車載用途の市場が増加すると予測されています。
電力を効率よく使えるGaNは、半導体素材の中でも特に省エネルギー特性が優れている、200ミリウエハーで100万円程!
窒化ガリウム半導体全体の市場 2019年:19億円 2030年:232億円、GaNパワーデバイス市場で2021年1〜3月で2,000万$
2030年のGaNパワーデバイスの市場規模が2019年比で12.2倍予想
・5333日本ガイシ (6インチサイズのGaNウエハー)
・InP(リン化インジウム)ウェハー
高電子移動度や低消費電力、低ノイズ性能などの材料特性を備えているため、
特に光トランシーバーの半導体ダイオードとして使用される材料のひとつです、高価
市場は2024年には1億7200万ドル予想
②金属シリコン
(以降一般的に使われているシリコンウエハーの工程になります)

ウエハーの元となっている原料はケイ素になり珪石から作成します。
珪石を電気炉やアーク炉で溶解、成分を安定させます。
不純物の処理、シリコン以外の不純物やガスを処理します。
冷却工程、大まかな形で自然冷却を行います。
固まったシリコン金属を破砕・選別、
ある程度のサイズに整え、原料用に選別を行います。

※この時点では98%ほど
環境問題:金属ケイ素の製造には膨大な電力を消費します。日本では生産するメーカーがなく全量輸入されています。
金属ケイ素の世界の年間生産量は約90万トンです
4063 信越化学工業 (子会社:シムコア社)
3436 SUMCO
金属シリコン価格推移
③多結晶シリコン

※純度99.999999999% (イレブンナイン)
金属シリコンを更に高純度にする為、化学反応で多結晶シリコンへ
・Siemens方式

4043 トクヤマ (世界シェア30%)
5711 三菱マテリアル (過去に四日市工場爆発)
④単結晶シリコンインゴット

・Cz法
高純度化された多結晶シリコンを、ホウ酸(B)やリン(P)とともに石英ルツボに入れて、
約1420℃で融解させます。ここで加える微量のホウ酸やリンといった不純物が、
最終的に完成する半導体の電気抵抗を調整し、その特性を決定します。
ルツボ内で融解したシリコンの液面に種結晶シリコン棒をつけ、回転させながら引き上げると、
種結晶と同じ原子配列をした単結晶インゴットが完成します
(SUMUCO参照)

他にはCZ法に強力な磁場をかけるMCZ法、
石英ルツボを用いないことで低酸素濃度の単結晶インゴットを成長させるFZ法などがある
4063 信越化学工業 (信越石英含む)
3436 SUMCO (JSQ含む)
6890 フェローテック (石英るつぼ)
4275 カーリットH (小口径シリコン)
3445 RSテクノ(DGテクノロジーズ)(製造用の部品?)
⑤切断(スライシング)

単結晶インゴットを切断してウエハー状に作ります、直径が均一になるように外周研削。その後お客さまが希望する抵抗率に応じて、内周刃切断機もしくはワイヤーソーを用いて厚さ1mm程度にスライスし、ウェーハ状にします。切削用ダイヤモンドビーズがワイヤーに固定されている。
・ワイヤスライシング
6301 コマツ (ワイヤソー製造装置)
6125 岡本工作機械製作所(ワイヤソー製造装置)
6140 旭ダイヤモンド (切削用ワイヤ)
ジャパンファインスチール (切削用ワイヤ)
トーメイダイヤ (ダイヤモンドビーズ)
4063 信越化学工業 (工程)
3436 SUMCO (工程)
6890 フェローテック (工程)
⑥粗研磨(ラッピング・べべリング含む)

切断後に外周を整えて円形にする(べべリング)場合はこのタイミングで実施
切断後は表面が荒く、形が整ってない為
ウエハの表面を両面とも研磨材を使用して粗く研磨(ラッピング)し、
スライシング工程での厚みバラつきや発生した歪み・キズを修正します。

5384 フジミインコーポレイティッド (半導体ウエハー用研磨材で世界首位)
3104 富士紡ホールディングス (パッド)
5381 Mipox (研磨材・パッド・研磨受託)
4004 昭和電工(旧:日立化成) (固定テープ/研磨剤)
3M (研磨テープ/パッド)
ニッタハース (パッド/研磨剤)
8155 三益半導体工業 (信越受託)
4063 信越化学工業 (工程)
3436 SUMCO (工程)
6890 フェローテック (工程)
⑦エッチング
ラッピング工程で修正できないレベルの微細な歪みや機械加工によるダメージを取り除くため、
化学的(薬品洗浄)なエッチングによって整えます。また、これまでの製造工程で付着した研磨剤やWAX、不純物、
パーティクル(付着ゴミ)などもエッチング工程で除去します。

4109 ステラケミファ (HF溶液)
関東化学(洗浄液)
多摩化学工業(洗浄液)
和光純薬(洗浄液)
共同過酸化水素(洗浄液原料)
8155 三益半導体工業 (信越受託)
4063 信越化学工業 (工程)
3436 SUMCO (工程)
6890 フェローテック(工程)
⑧研磨(ポリッシング)
ウェーハ表面の凹凸をなくし、平坦度の高い鏡面仕上げを行うため、
コロイダルシリカ液を用いてメカノケミカル研磨が施されます。

(研磨剤)
5384 フジミインコーポレイティッド (半導体ウエハー用研磨材で世界首位)
4368 扶桑化学工業(研磨剤コロイダルシリカ)
6131 浜井産業 (ラップ盤/ポリッシ盤)
7609 ダイトロン (マウンター装置)
5186 ニッタ ニッタ・デュポン
6140 旭ダイヤモンド工業 (パッドコンディショナ)
5381 Mipox
8155 三益半導体工業 (信越受託)
4063 信越化学工業 (工程)
3436 SUMCO (工程)
6890 フェローテック(工程)
⑨洗浄・検査
洗浄ののち、厳しい検査を経てポリッシュト・ウェーハが完成します。

5381Mipox
8155 三益半導体工業 (信越受託)
4063 信越化学工業 (工程)
3436 SUMCO (工程)
6890 フェローテック(工程)
・特殊
熱処理(アニーリング)
ウエハをアニールやCVDなどによって熱処理し、
シリコン内の酸化ドナーを消滅させたり結晶欠陥を低減させることによって、抵抗値を安定させます。
・ウエハーリサイクル
3445 RSテクノ (12インチで業界シェア33%1位)
8155 三益半導体工業
7995 バルカー (バルカー・エフエフティ)
3436 SUMCO
6997 日本ケミコン(ダミー用)
・ウェーハエッジ研磨
側面の尖った部分を無くす、ナイフエッジ化を防ぐためエッジ部を整える
5381Mipox
物凄く時間がかかると考えているので少しづつ実施して行きます。
●ウエハー製造

①素材
(ウエハーに使われている原料を見て見ます)
・シリコンウエハー (ケイ素)Si
現在最も使われているウエハー素材
市場規模 2020年:119.6億ドル、2021年は126.8億ドル、2022年を139.0億ドル
4063 信越化学工業 (世界シェア首位 2020年:31.4%)
3436 SUMCO (世界シェア2位 2020年:24.4%)
GlobalWafers (世界シェア3位 2020年:17.8%)
SK Siltron (世界シェア4位 2020年:13.5%)
Siltronic (世界シェア5位 2020年:9.8%)
※GlobalWafersが独Siltroicの買収を発表、合計だと世界2位
・シリコンカーバイドウエハー(ケイ素1、炭素1)SiC
近年結晶成長の技術が高まり、Siなどの従来の半導体と比較して効率よく電力を交換でき、
さらに発生する熱量も少ないため、シリコンに代わるパワー半導体材料として急速に需要が高まっています。
200℃以上の高温でも動作可能であり、更には数倍の高速スイッチング動作が可能、高価。
市場規模:2018年パワー半導体用SiCウエハは150億円、2030年のSiCパワーデバイスの市場規模が2019年比で4.6倍予想
ウエハー市場で2024年には4億3000万$、2027年には6億988万$予想。
・4004 昭和電工 SiCウェハー世界最大手
SiCrystal(ローム子会社、欧州1位)
・GaAs(ヒ化ガリウム)ウェハー
シリコンに比べ高価で加工が難しいデメリットがありますが、高速動作機能を持ち、また消費電力も約3分の1と少ないため小型化が容易という特徴があります、市場は10%程度成長しているが規模は大きくは無い。
ウエハー市場で2019年2億ドル、2020年に2億6790万ドル、2025年に3.5億ドル規模、2027年は4億9922万ドル予想
5802住友電工、独Freiberger Compound Materials、米AXT
・GaN(窒化ガリウム)ウェハー
シリコンやサファイア基板上にエピタキシャル成長を行うことによって作られます。
中耐圧、高周波に適した特性のため携帯電話の通信基地局や車載用途の市場が増加すると予測されています。
電力を効率よく使えるGaNは、半導体素材の中でも特に省エネルギー特性が優れている、200ミリウエハーで100万円程!
窒化ガリウム半導体全体の市場 2019年:19億円 2030年:232億円、GaNパワーデバイス市場で2021年1〜3月で2,000万$
2030年のGaNパワーデバイスの市場規模が2019年比で12.2倍予想
・5333日本ガイシ (6インチサイズのGaNウエハー)
・InP(リン化インジウム)ウェハー
高電子移動度や低消費電力、低ノイズ性能などの材料特性を備えているため、
特に光トランシーバーの半導体ダイオードとして使用される材料のひとつです、高価
市場は2024年には1億7200万ドル予想
②金属シリコン
(以降一般的に使われているシリコンウエハーの工程になります)

ウエハーの元となっている原料はケイ素になり珪石から作成します。
珪石を電気炉やアーク炉で溶解、成分を安定させます。
不純物の処理、シリコン以外の不純物やガスを処理します。
冷却工程、大まかな形で自然冷却を行います。
固まったシリコン金属を破砕・選別、
ある程度のサイズに整え、原料用に選別を行います。

※この時点では98%ほど
環境問題:金属ケイ素の製造には膨大な電力を消費します。日本では生産するメーカーがなく全量輸入されています。
金属ケイ素の世界の年間生産量は約90万トンです
4063 信越化学工業 (子会社:シムコア社)
3436 SUMCO
金属シリコン価格推移
③多結晶シリコン

※純度99.999999999% (イレブンナイン)
金属シリコンを更に高純度にする為、化学反応で多結晶シリコンへ
・Siemens方式

4043 トクヤマ (世界シェア30%)
5711 三菱マテリアル (過去に四日市工場爆発)
④単結晶シリコンインゴット

・Cz法
高純度化された多結晶シリコンを、ホウ酸(B)やリン(P)とともに石英ルツボに入れて、
約1420℃で融解させます。ここで加える微量のホウ酸やリンといった不純物が、
最終的に完成する半導体の電気抵抗を調整し、その特性を決定します。
ルツボ内で融解したシリコンの液面に種結晶シリコン棒をつけ、回転させながら引き上げると、
種結晶と同じ原子配列をした単結晶インゴットが完成します
(SUMUCO参照)

他にはCZ法に強力な磁場をかけるMCZ法、
石英ルツボを用いないことで低酸素濃度の単結晶インゴットを成長させるFZ法などがある
4063 信越化学工業 (信越石英含む)
3436 SUMCO (JSQ含む)
6890 フェローテック (石英るつぼ)
4275 カーリットH (小口径シリコン)
3445 RSテクノ(DGテクノロジーズ)(製造用の部品?)
⑤切断(スライシング)

単結晶インゴットを切断してウエハー状に作ります、直径が均一になるように外周研削。その後お客さまが希望する抵抗率に応じて、内周刃切断機もしくはワイヤーソーを用いて厚さ1mm程度にスライスし、ウェーハ状にします。切削用ダイヤモンドビーズがワイヤーに固定されている。
・ワイヤスライシング
6301 コマツ (ワイヤソー製造装置)
6125 岡本工作機械製作所(ワイヤソー製造装置)
6140 旭ダイヤモンド (切削用ワイヤ)
ジャパンファインスチール (切削用ワイヤ)
トーメイダイヤ (ダイヤモンドビーズ)
4063 信越化学工業 (工程)
3436 SUMCO (工程)
6890 フェローテック (工程)
⑥粗研磨(ラッピング・べべリング含む)

切断後に外周を整えて円形にする(べべリング)場合はこのタイミングで実施
切断後は表面が荒く、形が整ってない為
ウエハの表面を両面とも研磨材を使用して粗く研磨(ラッピング)し、
スライシング工程での厚みバラつきや発生した歪み・キズを修正します。

5384 フジミインコーポレイティッド (半導体ウエハー用研磨材で世界首位)
3104 富士紡ホールディングス (パッド)
5381 Mipox (研磨材・パッド・研磨受託)
4004 昭和電工(旧:日立化成) (固定テープ/研磨剤)
3M (研磨テープ/パッド)
ニッタハース (パッド/研磨剤)
8155 三益半導体工業 (信越受託)
4063 信越化学工業 (工程)
3436 SUMCO (工程)
6890 フェローテック (工程)
⑦エッチング
ラッピング工程で修正できないレベルの微細な歪みや機械加工によるダメージを取り除くため、
化学的(薬品洗浄)なエッチングによって整えます。また、これまでの製造工程で付着した研磨剤やWAX、不純物、
パーティクル(付着ゴミ)などもエッチング工程で除去します。

4109 ステラケミファ (HF溶液)
関東化学(洗浄液)
多摩化学工業(洗浄液)
和光純薬(洗浄液)
共同過酸化水素(洗浄液原料)
8155 三益半導体工業 (信越受託)
4063 信越化学工業 (工程)
3436 SUMCO (工程)
6890 フェローテック(工程)
⑧研磨(ポリッシング)
ウェーハ表面の凹凸をなくし、平坦度の高い鏡面仕上げを行うため、
コロイダルシリカ液を用いてメカノケミカル研磨が施されます。

(研磨剤)
5384 フジミインコーポレイティッド (半導体ウエハー用研磨材で世界首位)
4368 扶桑化学工業(研磨剤コロイダルシリカ)
6131 浜井産業 (ラップ盤/ポリッシ盤)
7609 ダイトロン (マウンター装置)
5186 ニッタ ニッタ・デュポン
6140 旭ダイヤモンド工業 (パッドコンディショナ)
5381 Mipox
8155 三益半導体工業 (信越受託)
4063 信越化学工業 (工程)
3436 SUMCO (工程)
6890 フェローテック(工程)
⑨洗浄・検査
洗浄ののち、厳しい検査を経てポリッシュト・ウェーハが完成します。

5381Mipox
8155 三益半導体工業 (信越受託)
4063 信越化学工業 (工程)
3436 SUMCO (工程)
6890 フェローテック(工程)
・特殊
熱処理(アニーリング)
ウエハをアニールやCVDなどによって熱処理し、
シリコン内の酸化ドナーを消滅させたり結晶欠陥を低減させることによって、抵抗値を安定させます。
・ウエハーリサイクル
3445 RSテクノ (12インチで業界シェア33%1位)
8155 三益半導体工業
7995 バルカー (バルカー・エフエフティ)
3436 SUMCO
6997 日本ケミコン(ダミー用)
・ウェーハエッジ研磨
側面の尖った部分を無くす、ナイフエッジ化を防ぐためエッジ部を整える
5381Mipox
コメント